武術太極拳とは

武術太極拳とは

武術太極拳とは、中国で生まれた中国武術をもとにしたスポーツです。中国および国際的には武術(ウーシュー、Wushu)と呼ばれ、日本では「武術太極拳」という名称で呼ばれています。さまざまな競技会が開かれ、発表会などの小さいものから世界規模の大きな大会まで開催されています。現在では、新しい価値(健康・競技)を持つスポーツとして若者から高齢者まで幅広い年齢層に愛好者が増え、普及が進んでいます。

武術の特徴

武術の起源は古く、人類の歴史とともにさかのぼり、争いにおける闘争技術・格闘技術を体系化したものといえます。しかし武術は、教育・医術・政治学・社会学・芸術などと互いに影響を与え合い、中国において文化を発達させる要素ともなりました。激しい動きが多いため、比較的若い年代に愛好されます。青少年の骨格、筋肉の発達、柔軟性、持久力の強化など、全体的な身体能力の向上、さらには精神を鍛え「礼儀」「武徳」を得ることが期待されます。

太極拳の特徴

武術の流派の一つである太極拳。起源には諸説あり、古くは「仙道」とも繋がり「健康」で「長寿」に良いとされます。中国古来からの陰陽思想を取り入れた、「導引法」と「吐納法」を結合させた武術です。ゆっくりとした動作の中、呼吸と動作と意識を一致させ「こころ」と「からだ」を鍛える、健康・体力増進のための健康法です。生涯スポーツとして、老若男女・体力の有無を問わずにおこなえ、それゆえに多くの愛好者が増えています。

太極拳の健康効用

様々な年代が愛好する太極拳、その健康への効用は多岐にわたります。すべての運動・スポーツがそうであるように、体を動かすことは大変良い結果を生みます。わけても太極拳は筋肉・関節をゆっくりと動かし、無理のない形で血流を増やし、体の隅々まで気血の流れを促します。片足ずつの運行がバランス感覚を鍛え、リラックスと集中力の両方を求めます。ストレス過多の現代において「積極的な休息」を「こころ」にもたらすのです。初心者にとっては、套路を覚え一人で行うのは大変なことです。しかし順番や形を覚えることだけが大事なのではありません。時間をかけて動きを覚えていくうちに、「何となく体調が良くなった」「風邪を引きにくく、また治りやすくなった」こういった意見はよく聞かれることです。長く続ければ続けるほど、やめることのできない人生の一部となっていくのです。静かなる運動、これこそが太極拳の重要な側面なのです。

生涯スポーツと競技スポーツ

太極拳は、愛好者が生涯を通じて練習を続けることができる「生涯スポーツ」です。幅広い年齢層に愛好されながら、高齢者にとっては介護予防の観点からも必要な事になってきています。健康で長生きこそが目的です。
その一方、「競技スポーツ」として国際的な普及が進んできています。太極拳や長拳などの競技(型演武の試合)が、全日本選手権大会、アジア選手権、世界選手権大会などで行われています。


参考:公益社団法人 日本武術太極拳連盟 「武術太極拳とは」より